紅茶は土地を語る—インド紅茶の名園を巡る
インドは、世界でも有数の紅茶生産国として知られています。
広大な国土には気候も標高も異なる複数の産地が点在し、茶葉の個性も地域ごとに大きく異なります。
Chai Raniでは、インド各地の選び抜かれた農園から直輸入した茶葉を取り扱っています。
今回は、主要な紅茶の産地であるダージリン、アッサム、ニルギリの地域特性と、それぞれの茶葉が生まれる背景をご紹介します。
1. ダージリン(Darjeeling)|西ベンガル州
ヒマラヤの麓、標高600〜2,000メートルに広がるダージリンは、「紅茶のシャンパン」と称されるほどの繊細で芳醇な香りを持つ紅茶の名産地です。
この地域は昼夜の寒暖差が大きく、霧が立ち込める冷涼な気候。
それが茶葉にゆっくりと育つ環境を与え、唯一無二のマスカテルフレーバー(マスカットに似た香り)を生み出します。
春摘み(ファーストフラッシュ)は特に香り高く爽やか、秋摘み(オータムフラッシュ)はまろやかで落ち着いた味わいを楽しめます。
2. アッサム(Assam)|アッサム州
インド北東部、広大なブラマプトラ川流域に広がるアッサム地方は、世界最大規模の紅茶生産地です。
標高は低く、気温と湿度が高いため、茶葉は太く力強く育ちます。
その結果、紅茶は濃厚なコクと深い琥珀色を持ち、朝の目覚めや食後の一杯に最適です。
特にミルクとの相性が良く、インドの伝統的なマサラチャイのベースにもよく使われます。
ゴールデンチップと呼ばれる金色の新芽が多く含まれる茶葉は、アッサム紅茶の高級品の証とされています。
3. ニルギリ(Nilgiri)|タミル・ナードゥ州
南インド、タミル・ナードゥ州に位置するニルギリ丘陵(別名:ブルーマウンテン)は、標高1,000〜2,500メートル。
年間を通して収穫可能で、安定した品質の紅茶が生産されています。
この地域の紅茶は、クセが少なくすっきりとした飲み口で、ストレートでもアイスティーでも美味しく楽しめます。
シトラスを思わせる爽やかな香りも特徴で、紅茶初心者から上級者まで幅広く愛される産地です。
土地と、人と、茶葉と向き合う
紅茶は単なる嗜好品ではなく、土地の空気や文化、働く人々の手によって育まれた「物語のある一杯」です。
Chai Raniでは、現地の茶園と直接つながることで、産地の魅力をそのままお届けできるよう努めています。
味わいだけでなく、その背後にある風景を知ることで、紅茶の時間はより豊かなものになります。
次にカップを手に取るとき、ぜひ、その一杯がどの土地から届いたのかを思い浮かべてみてください。
香りとともに、紅茶の旅が始まります。
